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日々の萌えと燃えを吐き出す文字どおり世迷言ブログ
 

 

 
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久しぶりに小話出来たので投下してみました。
最終回ネタなので未読の方はご注意下さい。そして、またしてもヨキさんでごめんなさい。
別にこっそりヨキ→マル推してるわけじゃなくて単に書きやすいだけなんです。
(でも、脳内にヨキマルルートなるものが存在するのはここだけの話。毒を食らわば皿までという剛毅な方は、追記のラストを反転していただければ、可哀相な脳内を垣間見ることができます…が、まったくお勧めできません。ええ、本当に)
 

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知り合いの医者だかの手引きで国軍大佐との面会を果たした男はどこか晴れ晴れとした貌をしており、首尾が上手くいったことは聞かなくても知ることができた。
どうやら旦那や小生意気な鋼の小僧たち先発隊、それに途中で合流したらしい反抗勢力の軍隊などが、人造人間の野望を食い止めたらしいことは、ここにいる自分の存在が証明していたし、これで当面の懸案事項は全て片付いたことになる。
とりあえず、早いこととんずらするに越したことはないと腰を上げた。いまさら軍にしょっ引かれるなど堪ったものではない。
本来ならお尋ね者の自分がこんな本営近くに居座っていられるはずもないのだが、戦いは終わったとはいえ未だに首都は混迷の真っ只中にある。
衛生兵が駆けずり回り担架が行き交う。隊員の消息を問う声がその喧騒に混じっていた。
しかし、それもやがては収束してゆくだろう。長居する理由などない。
「もう、行くのかい?」
隣に佇んでいた男が声をかけてくる。
名残を惜しんでも仕方ないと、あっさりそうだと告げると、その表情がどこか寂しげに歪んだ。
「また、会えるだろうか?」
「当然だ。探す必要もないくらいにこの勇名を国中に轟かせておいてやるから安心しろ」
湿っぽい話はごめんだった。殊にこの男にそれをされるのは気まずい、非常に。
「そうか…そうだね」
かすかに破願する姿に、安堵する。
あんたはどうするのかと問えば、ひとまず以前に身を潜めていた村に挨拶をしてから、かの地へ発つのだという。
初めて聞かされたときは度肝を抜かれたその決断も、彼の辿ってきた道を思えば当然に帰結のように思えた。
なにより、このどこまでも優柔不断な男が自らの意志で決めたことだ。背中を押すことはあれど、止める理由などない。
それに…。第一は償いの為であろうその決意の裏に、今ここに居ない仲間への深い思いが内包されているに違いないのだ。混乱の中、今朝方別れたその仲間の消息は未だ掴めていなかったが。
「ここに向かうときに言ったこと、忘れていないだろうな?」
あの旦那がくたばるわけがないともう一度念を押すと、相手は大きく頷きそれから信じているから大丈夫だとしっかりした声で答えた。
自分とあまり変わらない高さにある頭をぐしゃぐしゃとかき回してやる。
いつもきっちりと分けられた前髪が乱れ、困ったように笑い返す姿を視界に納め、なんだか満ち足りたような気分になった。

慌しく流れる人の動きを目で追って、今度こそと別れを告げる。
「それじゃ、元気でな」
ひらりと手を振り背を向けると、「ありがとう」という声が追いかけてきた。
ちゃんと幸せになれよと声には出さずに呟いて、空を仰ぐ。
一時は姿を消した太陽が今はその姿を余すところなく晒している。どこまでも雲ひとつない晴天が続いていた。
まだ何か言い残したことがある気がしたが、どうでもよかった。
それよりもこれからどうしようかと、ため息交じりにひとりごちる。
あの場の成り行きで大言を吐いてみせたが、正直目算すら皆無だ。

「おーおー、格好つけたわりには無策だったのか」
「まぁ、先生を元気付けたところは評価してやらんでもないがな」
いきなり両側を高い壁でさえぎられるような錯覚に、喉まで出掛かった反論を飲みこまざるを得なくなる。
いつのまにか両脇に立ち塞がっていたのは、ゴリラとライオンの合成獣たちだった。
何のつもりだと思い切り邪険にねめつけてやったが、二人とも意に介した風もない。
「こっちも軍を抜けちまって行く当てがないんでな」
「野生の勘があんたについて行くのが得策だといっているし」
口々に勝手なことをのたまっている。
以前なら、いい迷惑だとはねつけていたに違いない。しかし、何か心に引っかかるものがあった。
ひとりよりも同道する者がいる方がいい。それがたとえ口の減らないキメラどもであっても。
「そこまでこの私を慕うのならば連れて行ってやらんこともないぞ!」
胸をそらせば、偉そうにするなと反撃された。
そんなくだらない掛け合いに胸が温まる気がするのも、この旅を経たせいなのだろう。

そういえば、礼を言いそびれたなと、頭の隅で思う。
しかし、後悔はない。気難しい旦那もお人よしの医者もおしゃまな少女も凶暴なその親友も、それから何かと混ぜっ返してくる合成獣の二人も…ともに歩んだのが何かの縁ならば、この先もどこかで繋がっているはずだから。

「よーし、いくぞ手下ども!」
「「お前みたいな三下に言われたくねーよ!」」
ぴったりと息の合った反論に、胸のすく様な思いがした。
行き先など決まってはいなかったが、こんな門出も悪くはないと思った。
仲間たちと決死の思いで守り抜いた世界は、これからも目まぐるしく動き回ってゆくことだろう。その片隅に、否どーんとど真ん中に自分の居場所もあるに決まっている。根拠のない自信が原動力となり、大きく一歩を踏み出した。
偉大なる男の歴史はきっと多分ここから始まるに違いないのだ。



このブログのヨキさん稼動率が半端ない件。別に取り立てて好きなキャラクターだとかそういう訳でもないはずなんだけども。
というか、この作品は色々と気になる人たちがいるので、わりとあっちこっち行ってる感じがしますが…。感想のカオスっぷりとか酷いなぁと思います。
えーっと、あれだ。「別にっ、特別気になるとかそんなんじゃないんだからねっ!」って言っておいた方が良いのかなぁ。
――すみません調子に乗りました。

最終回、ヨキさんが写真に滑り込んでくれてよかった。なんとなく腐れ縁でスカーについて行くものだと思っていたので意外性をつかれたというか。
本当にみんな納まるべきところに収まってるなぁという印象の後日談で、あのサーカス?一団だけ明確な接点らしきものが見当たらなくって首をひねったりしたのですが、行く宛てのない者でまとめてるのかな?みたいなことも考えたりしたんだけども、多分彼らには彼らの意味があるに違いないと今では思っております。でもそれが何なんだかトリ頭には分かんないけど。
ヨキさんの傷医者に対するスタンスは前にどこかでちらっと書いた気がするのだけど、口では絶対に言えないけれど二人ともが大事で、何とか幸せになってほしいと思ってたりするし、つい柄じゃないけどおせっかいを焼いてしまうというか。
ドクターに対しては、超人的な戦闘能力を有するパーティ内において、唯一の非戦闘員でそういうところに親近感を抱いていたりするといいなぁとか思っていました。
この人は、ドクターが錬金術使っているところを目撃していない気がするし、見ちゃったら何だかんだでちょっと置いていかれたようなショック受けてそうだとか。…まぁそんな夢を見ていたわけで。
原作で、ドクターのピンチに震えながら駆けつけてくれたところがすごく好きで、普段身の安全を第一に考えている彼の、唯一の庇護対照がドクターなのかと思うと感慨深かったりしました。
仲間意識をちょっと逸脱して、でも恋愛自覚未満というのが個人的なヨキ→マル観というか、あくまでヨキさんは応援している立場なので、ドクターとどうこうなることはありえないんですが。
唯一そのルート発現するとしたらば、スカーの身に何かがあってドクターが置いていかれてしまうというパターンなんだけども、そんな悲しいこと私が想像したくないという…。
ちなみに、このふたりが普通にくっついたら、ちょっと天然なドクターに日々突っ込み入れつつもちゃんと手を差し伸べてくれるよきさんという、なんとも可愛らしいカップル(笑)になろうかと思いますが、そんなことを考える自分が哀れを通り越してちょっと仕様がないなぁと思えてきてしまいました。
以上、、小話内では伝わらないであろうこれまでのヨキさんの態度もろもろを補足してみた次第です。力及ばず不甲斐ないばかりです。

…あ、散々語りつくしておいてあれですが、ドクターを任せられるのは傷の人をおいて他にないと思っております。
我ながらマッチポンプ過ぎる。
傷医者といえば、原作最終回のお膳立てが凄すぎて頭がついて行かないこの現状をどうしてくれようかと。


 

 
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