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日々の萌えと燃えを吐き出す文字どおり世迷言ブログ
 

 

 
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ご無沙汰しております。とりあえず、今月の懸案事項が終わったのでちょっとほっとしております。
来月以降もぱたっと更新止まったらまたか…と思ってやって下さい。

そして、遅ればせながら過去記事に拍手くださった方、ありがとうございます。
あれは、その…朝っぱらから先生の家にいた某生徒を追及せよという、そういうことなのでしょうか?
うわー、言えない。本当はただ単にお弁当を受け取りに寄っただけとか絶対に言えない。

ということで、もうちょっとどうにかしたものを書いてみました。
ご期待に沿えるような代物でも、はたまたぴんくな展開でもありませんが、よろしかったらどうぞ。
申し遅れましたが、いつもの学園パラレルです。
 

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とりあえず、卒業前だと念じて見てやってください。
夏休み、アルバイトに行く前に教頭先生の家に寄ってる傷の人ということで…。



「暑い中、毎日ご苦労さま」
そう言って男は今しがた包んだばかりの弁当を差し出す。
「否、己れは自分の為にしているだけだ」
それよりも、朝早くから毎日昼食を持たせてくれる彼の方が余程の重労働の筈だ。
しかしその事実を指摘すると決まって、大したことではないと事も無げに言ってのけるのだ。早朝から他人の昼食を作ることが片手間であろうはずがないにも関わらず。
短く労いの言葉をかけると、受け取った包みを傾かないように注意深く鞄へと仕舞い込んだ。
玄関先へ向かうと、律儀に見送りに来る。
いってらっしゃいと、当たり前のように投げかけられる衒いも気負いもない言葉に背を押されるようにして、扉へと向かう。いつもと違ったのはその後洩らされた何気無い一言だった。
「何だか新婚家庭にいるみたいだ」
その声に、今まさに手をかけようとしたノブを前に静止する。
振り返ると、上がり框に佇む男がはにかむ様に笑っていた。
咄嗟に二の句が告げなかった。
そうだとも違うとも言えず、しかし、それは心の何処かで感じていたことだった。
ただ、会って存在を確かめたい。その為だけに、ここに通うことを日課にしていた。
端から見れば飯事のようなそのやり取りは、その目的の大義名分として必要なことだった。
だからこそ、彼は朝早く弁当を作り、何処か心苦しく思いながらも甘んじてそれを受け取る自分がいるのだ。
無言で立ち尽くす己の姿に、先ほどの言葉が失言だったと思ったのだろう。
「…ごめん、可笑しなことを言ってしまったね」と取り繕うように、どこか寂しげな苦笑交じりに告げる相手に、きっぱりと首を横に振る。
たとえ仮初めのものであったとしても、そこに込められた願いは紛れも無い真実だった。
彼との間に横たわる、1メートルほどの叩きを一足に踏み越える。そして、程近いところにまで迫った瞼の上にそっと唇を落とした。
触れた瞬間は、びくりと身体を震わせて、しかしその後は従順に受け入れる姿に、目も眩むほどの愛おしさが湧き上がる。
腕を広げ、引き寄せようと試みたところで、肩に下げた鞄がずるりと肘の付け根まで落下し、その衝撃が忘我から立ち戻る契機となった。
いつの間にか目を開いていた男は、促すように黙って頷く。
集合時間に遅れることは仕事仲間に負担をかける事にもなるし、それは自分にとっても、そしておそらく彼にとっても本意ではないだろう。
離れ難いと明確に告げてくる本能を意識の外に追い遣ると、名残を少しでも感じられるようにとゆっくりと身を離した。
「…行ってくる」
ただ一言告げると、感傷を振り切るようにその場を後にした。
「気をつけて!」という声が、扉を閉める直前に届いた。

扉ひとつ隔てた外の世界は、既に焼け付くような熱を肌に伝えてくる。
すべてを暴くかのように降り注ぐその光の下で、いつかこの道を辿る理由が無くなればいいと、強く願った。



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以下、おまけ的な。


ようやく本日の勤労を終えることが出来た。
空になった弁当を鞄に入れて、朝来た道を歩いていると、建物の影から見慣れた人物が姿を現し、目の前に立ち塞がった。
長い金髪を首の後ろで編みこんだ小柄な(と、告げると本人は激昂するが)男と、最近よくその男と連れ立っている、華奢な(確か転校生だと聞いたような気がする)黒髪長髪の男。いずれも同じ学校の生徒だった。
沈みかかった夕日を半身に受けた二人は、何か大きな事件に直面したかのように疲弊して見えたが、此方が言葉を発する前に一斉にわめき始める。
「お前っ、朝っぱらから何つー破廉恥なことをっ!」
「生徒の分際で僕のド…教頭先生の所から朝帰りとはいい度胸だねー」
あまりの喧しさに答える気にもなれず、逆に疑問を返す事にした。
「…そういうお前たちは、何故己れが朝そこにいたことを知っているんだ?」
「うっ、それはだな」
「たまたま、ここでジョギングしていたからだよ。早朝に知り合いを見かけたら気になるものでしょ?」
「おっ、ナイスフォロー!」
「ちょっと君は黙ってて」
「んだと、この…!」
要領を得ない話に此方まで疲労押し寄せてくる気がした。ただでさえ肉体労働をしてきた後だ、厄介なことは避けたかった。
「用がないなら、帰るぞ」
今にも取っ組み合いの喧嘩を始めそうな二人を避けて、今朝方名残を惜しんだ人の下へと向かう。
「ちょっと待ったー!」
「まだ話が終わったわけじゃないよ。それとも、後ろ暗いことがあるから逃げるのかな?」
いつの間にか再び徒党を組み始めたらしい。背中で猛然とする級友たちに、仕方がないという態を崩さずに相対した。
不要な疑いは避けたかったからだ。
「で、聞きたいこととは何だ。簡潔に頼む」
そう告げると、転校生が一歩前に進み出た。
「あんな朝早くから、教頭先生の家で何をやっていたのかなー…って思ってさ」
説明を求められ、弁当を受け取りに行っただけだと答えると、すかさず今度は金髪の方が割って入ってくる。
「本当にそれだけかよ!?あの状況で他に何もなかったとは言わせねーぞ」
ふと、出かける前の出来事が脳裏を過ぎった。だが、それを彼らに話す義理はない。ない筈だった。
「あ、今何か思い出したでしょ?隠す必要もないなら僕らに言ってみなよ」
「そうだ!このムッツリめ!」
あまりにも不当な物言いと、相手の切迫した様子に、不覚にも口をついて出てしまった。
「何もないと言っているだろう。ただ、せ…」
「セ…!?」
「se…っ!!??」
身を乗り出す二人の熱気を避けるためにと顔を背ける。断じて後ろめたい訳ではなかった。
「接吻しただけだ、瞼に。もう行くぞ」
今度こそその場を離れようと足を踏み出すと、なおも件の二人が追いすがってきた。
「お前、据え膳って言葉知ってるか!?そこは空気読めよ!」
「見損なったな。君がそこまで甲斐性無しだとは思わなかったよ!!」
口々に喚き立てるその内容が甚だ理不尽だと感じるのは、気のせいだろうか?
それから日が落ちるまでの間、とうとうと説教を受けた挙句、小さな包みを握らされて、ようやく開放されることになる。
最後に先生を大事にしろよと念を押した二人は、なにやら影を背負ったまますっかり暮れた街中を、覚束ない足取りでそれぞれの家路へと向かっていった。

思わぬ嵐の到来に、更なる疲労が圧し掛かっていた。気を取り直し今度こそはと歩き始めたところで、先ほど受け取ったものが何なのかとふと気になった。その場に立ち止まり、手にしたものを検めると、ゴム製の所謂避妊具だった。
…その日の、弁当箱を返すまでの道のりが一層険しくなったことは言うまでもない。




おまけのほうが長いってどういうことよと小一時間問いただしたい気分です。
傷の人までキャラ崩壊してきました。すみません。

 

 
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