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日々の萌えと燃えを吐き出す文字どおり世迷言ブログ
 

 

 
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もう4月とか。でも、あんまり暖かくならないですね。
そういえば、とあるサイト様でFAの英語版との台詞比較をされておられましたが、対嫉妬後の傷の人のドクターへ掛けた言葉が二人称じゃなく一人称複数形なことに目から鱗。禊の戦いとか私の我侭というくだりから、ドクターの戦いみたいなイメージが出来ていたのでここに来ての新たな発見でした。名実ともに仲間だって認めてくれているんですね。大変に感慨深いです。

そして、拍手押してくださいました方、有難うございます。更には没話にコメントまで頂戴しまして。勿体無いお言葉の数々、本当に嬉しかったです。萌えて頂けたのでしたらばあの小話も書いた甲斐があったと、救われた思いです。
私も紅蓮とドクター絡ませるのが好きなのでそう言っていただけると幸いです。とか言いつつ小話内で紅蓮さんはめっきり活躍していないというか、既に年単位で出番がないというか…。一応脳内ではちょこちょこ登場されているのですが、この御仁が出てくると色々と公序良俗的に問題がありそうな。うん、濡れ衣ですけど。
原作でもちゃんと会話して欲しかった二人ですので、ついパラレル設定とかで一緒に出してしまうという裏話もありつつ、原作でも鷹の目さんにしたみたいにドクターと問答しているのが見たかったなぁと。嫉妬のそれは悪意込みだけど、紅蓮さんの場合はむしろ興味本位な気がして、それに対してドクターはどう返すのかなぁって思ったりします。
と、長々とどうでもいいことを垂れ流してしまいました。
以下はふと思いついた小話を投下してみます。
紅蓮とドクターが一緒なので、必然的にパラレルです。(どうでもいいけど、この二人で飲食させるの好きだな、私…何というワンパターンorz)
 

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調理場から出るとグラスを軽く掲げた男の元へと足を運ぶ。純白のスーツを崩すことなく着こなした姿は、泰然としており、まるで場の空気を支配するがごとく馴染んでいた。
「今日はお一人だったのですね」
テーブルに近づくその肩越しに、奥の空間へと目を遣った男は、言葉の調子とは裏腹に微塵も驚いた様子はなかった。
「ええ、詳しいことは聞いていないのですが、所用があるとかで」
此方の答えに、そうですかと一言だけ返して、彼の興味は新たに加わった料理に移ったようだった。
「いつもながら見事な出来栄えですね」
食前酒にと出した深い紅色のカクテルは、この男が好んで口にするものだった。そして、今しがた運んできた濃黄の半月型の食品も。
主に朝に食されるこのひどくありふれた簡素な卵料理を、彼は几帳面にもナイフとフォークを用いて丁寧に切り分けるのが常だった。いつもその律義さと、慣れたナイフ捌きに内心舌を巻いたものだったが、今日は些か趣きが異なっていた。
食事には手をつけず、目の前に置かれた湯気を放つその料理を、眼を細めて凝視している。
「本当に見事です。この色といい形といい…完璧だ」
つい…とナイフの腹を表面に滑らせて、うっとりとした調子で呟く。そのどこか恍惚めいた表情に、相対する己の背筋にざわりと不穏な感覚が走った。それが何なのか判然としないまま、冷めてしまっては美味しくないからと勧める。
すると、男は我が意を得たりとばかりに視線をこちらに投げかけてきた。
「たとえどんなに見事な外観であっても、その真価は味合ってこそ初めて発揮される。そうは思いませんか?」
「そうですね。作った者としても、そうやって喜んでもらえるのが一番です」
不気味な感覚を振り払い、相槌を打つ。
成程とうなずく男は、しかしまだ食事に手をつけようとはしなかった。
相変わらず此方に向けられる探るような執拗な視線に、息苦しささえ覚える。

「貴方が彼に望んでいるのもそれなのでしょう?」

「な…っ」
突然の予期しない問いかけに、とっさに反応が出来なかった。そして、その様子でさえも眇めた視線に余すことなく捉えられる結果となってしまう。
取り繕う機会を逸したことに気づいたが、どうしようもなかった。臍をかむ思いできつくこぶしを握り締める。
「折角お膳立てして差し上げたのに、全く進展がないとは。それは、さぞかしお辛いでしょうね」
「それよりも、食事を…っ」
搾り出すようにようやっと押し出した言葉に、男は鷹揚に頷いた。
「ええ、勿論そのつもりです。折角ご用意いただいたのですから、じっくりと味合わなければ」
今一度形を確かめるように、弧を描いた側に刃を滑らせる。そうして中心の最も今度はフォークの先で軽く傷つかない程度に程度に引っ掻く。
その動きは、別の何かを想起させるに充分な妖しさを秘めていた。
相手の思うつぼだと言い聞かせたところで、一度火のついた熱情は収まるはずもなく、更にそんな葛藤を見透かしたような男の声が追い打ちをかける。
「もう弾けそうになっていますよ」
嬉々とした様子で隆起をなぞれば、柔らかな薄皮の下に蠢動を見て取れる。暫くその様を堪能した彼は、慎重に裏を返すと、継ぎ目を探り始めた。ナイフの刃を立てることなく軽く左右に力を加えれば、そこは徐々に開き始める。圧のかかった影響で行き場をなくしたどろりとした濃い液体がその隙間から顔をのぞかせる。
「もう待ちきれませんか?困った人だ…」
吐息交じりの声が耳殻を刺激する。卓から半身を乗り出して直に吹き込まれたそれはまるで媚薬だ。自らが皿の上で責め苛まれているような錯覚までも呼び起こした。
全身に力を籠め、少しでも反応を食い止めよう努めるが、その間にも、フォークの先端が着実に狭い隙間に分け入ってゆく。柄をゆっくりと内部を探るように操って、なけなしの抵抗をあざ笑うかのように男は言葉を紡ぐ。
「こんなに蕩けてしまっている」
ご覧なさいと、柔らかな口調で促される。
そろりと抜き出された銀製の先端部には、熟れきらぬ熱情が纏わりついて…。
「……っ」
これは他愛ないごっこ遊びだ。そんなことは指摘されるまでもなく承知している。それでも、何でもない筈のその状況を直視するのが酷く怖かった。彼の掌の上に居るのは、未だ湯気を放つ料理などではなく、欲に濡れた自分自身なのだと、そう思い知らされたのだから。
「同じでしょう?貴方と」
まるで心を読み取ったかのようなタイミングで掛けられた言葉は、残酷なまでに紛れもない確信に満ちていた。
「上辺だけの繋がりなど一体何の意味があるというのか。全てを曝け出してご自分の気持ちを認めれば良いのです」
ほら、このように。
そこには、揶揄するような響きは欠片も見いだせず、男は静かにナイフを引くと、皿の上に零れた半熟のそれを切り分けた一欠けもろともに自らの口へと導いた。
そして、実に美味だとかみ締めるように感想を述べると、急に喉奥で小さく笑う。
「何でしたら、私がお相手いたしましょうか?」
「それは…っ」
思わず身を引いてしまう。此方の答えが終わる前に冗談ですという声が被さった。
「博愛主義者の貴方らしからぬ実に明確な拒絶ではありませんか。これ以上、無粋な問答が必要無いくらいに」
「私は…」

不意に入り口の扉が開いた。
勢いづいたそれは、ひとたび強かに壁に衝突し、大きな音を発する。驚いて視線をめぐらせると、開かれた空間に佇むのは、先の問答の当時者その人だった。
紅い瞳には何故か敵意とも取れんばかりの強い光が宿されており、思わず息を呑む。その視線は、此方を通り超えてスーツの男に注がれていた。
「貴様、何をした!?」
押し殺したような低い声音には、彼の自制心が痛いほど滲んでいることが、張り詰めた全身の緊張から判ってしまった。しかし、相対する男はというと、対照的に実に涼やかな表情でその視線を受け止めている。
「見て分かりませんか?ちょっと食事を頂いただけです。なに、ご心配には及びません。メインディッュはちゃんと残しておりますから」
そう答えると、飄々とした様子で席を立つ。
「どうぞ、じっくり召し上がって差し上げてください」と憮然とした相手に聞こえよがしに吹き込むと、此方に向き直った。
「本日はご馳走様でした。次は是非に邪魔者の来ない所で」
帽子を手に取ると、優雅に深く一礼する。
「あの…お構いもできませんで…」
ようやく我に返って、見送りに出たで肩を引き寄せられた。
「今度こそ首尾をお間違えなきように」
耳元に吹き込まれた言葉に、思わず頬に血が上る。
「健闘をお祈りしていますよ」と言い残すと、男は颯爽と立ち去った。その背を見送りながら、まるで嵐のようだと思う。

「本当に、何もなかったのか?」
いつの間にか傍に寄っていた男が気遣わしげに眉根を寄せながら問いかけてくる。何もないことをきっぱりと伝えると、辿るように頬に触れてくる指に自らの手を重ねた。
望んでいた温もりを漸く手に入れ、内に凝り固まった熱情が洗い流されてゆく。と同時に、彼の存在にこれ程までに満たされる自分自身にひどく安堵した。
全てを曝すことは、同時にリスクを伴う。到底受け入れられそうにない願いをぶつけた所で、一体何を得るというのだろう?…否、ただ拒絶されることが怖いだけなのだろう。失うくらいなら、取り繕いながらも傍にいる方がいいと、ただ自らの退路を確保する行為に過ぎない。
けれども、ここにある存在に嘘偽りはなくて、向けられる真摯な視線も伝わる温もりも全て真実なのだ。ならばそれでいい。
求める幸福の種類はひとつとは限らないのだから…。




内容が内容だけに、4月1日に書き逃げたかったもの。タイトルはその名残です。ちなみに、一番の被害者はオムレツさんに他なりません。これは訴えてもいいレベル。――真面目にネタ話を書いてるという現実にしょんぼりです。やはり起き抜けに思いついたものを形にすると碌なことにならないということで。ねーよ!という突っ込みは謹んでお受けさせていただきます。
因みにドクターは誰にでもほいほい流される訳じゃなくて、相手が紅蓮さんだからだということで。哀しいかな嫉妬やえどが頑張ってもボケ倒されるに違いない…という個人的な見解。だから望み薄、というのじゃなくて負ってる役割の違いということで。


 

 
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