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日々の萌えと燃えを吐き出す文字どおり世迷言ブログ
 

 

 
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某所のとよだレポに萌える今日この頃。
前回があんまりにもひどい事になってたので、今度はにったいトリオの明るい小ネタなど。
…と思ったらあほなネタに。

 

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こんなものまで用意されているのかと、感心しながら手に取る。
鮮やかな彩色が施された木製のそれは、手の中に収まるほどの、オーソドックスな形のコマだった。
幼い頃に何度となく興じた玩具だが、最近ではお目にかかるのも珍しくなっている。
懐かしさからつい、一つを拾い上げ、傍らの依り紐を巻き付けた。
コマの縁を親指と人差し指の付け根から握り込み、空いた指はロープ部分にそっと添える程度で…。
かつての記憶をなぞりながら、下準備をすませると床に向かって放り投げ、同時に小指にからげたロープを勢いよく引き抜いた。
空中で回転のかけられたそれは、床に到達すると軽快な音をたてて回り出す。
おおー!
不意に背後から声が上がる。
いつの間に来たのか、後輩二人がひょっこり顔を覗かせていた。
何が気になるのか、一様にコマに視線を張り付けている。
「もしかしてお前ら、コマ回したことないんか?」
あまりにも物珍しそうな反応に、思わず声をかける。
二人は、いまだ回転体を注視したまま頷いた。
ひょんなことからジェネレーションギャップを感じる羽目になる。
「回し方、教えてやるから、これ持て」
適当に見繕ってコマとロープを渡す。
「ええか、まず頭の尖ったとこに紐を掛けてやな」
言いながら回転を止めたコマに再び紐をからげ、ひっくり返す。
年少二人は、覚束ない手つきでそれに倣った。
普段の生意気な態度とは大違いの殊勝な態度に何となく気持ちが高揚する。
一通りの説明を済ませれば、各々の手にはスタンバイされたコマが握られていた。
ところどころロープがよれているが、まぁ最初はこんなものだろう。
で、これを投げる、」と言いながら、手の中のそれを放る。
「ちょっ、大佐!今のじゃわかんないです!」
「誰が大佐やねん!」
口々に抗議の声を上げる後輩たちに、こればかりは感覚の問題と切り捨てた。
それでもしばらくすると、天性の感覚からか、なんだかんだで遊び方を飲み込み始めてきた。
手持ち無沙汰なのが面白くなくて、これはどうだとばかりに宙に放ったコマを回転はそのままに、掌で掬い上げた。
一頻り手の中で回るコマを、手を止めて二人は呆けたように眺めている。
やがて回転が止まると、今度は一斉に尊敬の眼差しが此方に向けられた。
やり方教えてと、まるで餌をねだる雛鳥のように喚く後輩どもをとりなしつつ、初めて年長者らしい扱いを受けている現実をほんのちょっと噛み締めてみた。
合宿が始まってからかれこれ一年、思えばこれは椿事ではないだろうかと。
一方で、このチームがもうすぐ終わってしまうことに一抹の寂しさも感じつつ。
そんな感傷に浸っている所に、ふと第三の後輩が現れた。
他の喧しい二人と違い、良く言えば落ち着いた、そうでなければマイペースいったところか。
とりあえず、そういう人物がコマ回しの現場に通りがかったのである。
新たに登場した仲間に、口々にコマの楽しさを伝えようとまとわりつくかしましい二人と、相変わらずどこ吹く風の一人。
差し出されたコマを一瞥し、ポツリとつぶやいた。
「そういえば、コマって独り楽しむって書くんですよね」
その一言で一斉に視線が此方に集中した。
「なるほど。だからなかせさん上手いんすね」
「よっ、一人上手!」
先ほどまでの待遇から一変してなにやら笑いものにされている。
「お前らっ!」
笑いさざめく後輩たちに拳を振り上げる。歓声を上げて蜘蛛の子を散らすように逃げてゆくその背を眺めながら、自分が思いの外このチームが気に入っていることに改めて気付かされた。
「お前らっ、もう怒らへんからこっち来い!」
独り楽しむより、皆でやった方がいいに決まっているのだ。

喧騒を聞きつけた先輩二人も加わり、総勢6人の賑やかなコマ回し大会が競技場の片隅でひそやかに行われたのは、メンバーだけしか知らない事実。

 

 
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